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イタロおじさん



はじめまして!4年の石川です。 今回は、最近カフェで知り合ったイタロおじさんについて書きたいと思います。彼は気さくな方ですが、話すことは半分正しく、半分間違っているので、話半分に読んでください。 *** 僕がイタロおじさんと出会って最初に知ったのは、「真夜中にコーヒーを飲むと眠れなくなる」というのが、半分正しく、半分間違っているということだ。イタロおじさんは、僕が眠れないのは心意気に問題があるからで、毎日一所懸命生きれば必ず眠れると言った。確かに、イタロおじさんの太いつながり眉毛には説得力があった。だが、一所懸命生きた日、真夜中にコーヒーを飲むと、夢の中で必ずコーヒーが現れ、イタロおじさんもお喋りにやって来る。だから、眠れなかった。

夢の中でイタロおじさんがカフェに現れるのは、僕が一所懸命生きた日の夜だった。コーヒーカップの方から心配されるくらいしわしわな手で、イタロおじさんはドアを開け、その日一所懸命生きた僕に拍手した。弱々しい音が小さなカフェに漂い、そこには誰もいないように感じられた。焙煎機は、このカフェで何十年も豆を煎っていた。イタロおじさんの情熱的な過去を知る焙煎機は、彼を恐れてか、彼に敬意を示してか、全く音を立てずに生豆を煎っている。イタロおじさんが杖を置き、椅子に腰を下ろしてから、彼が飽きるまで儀式のような焙煎が続いた。

「夢の中に出てくるくらい、君はコーヒーが好きなのかい」イタロおじさんは、無精ひげに隠れた分厚い唇をのっそりと動かした。 「はい、そう思います」 「夜、君を苦しめるのに」分厚い唇が微かに動いた。

イタロおじさんのほしいまま、目的もなく走り続ける焙煎機が、ついに耐えきれなくなり、真っ黒な豆を大量に吐き出した。染みだらけのテーブルの上に、異常に深煎りのコーヒーが出てきた。イタロおじさんの意地悪がきわめて抽象的に表現された、香りのない、味のしない、真っ黒なコーヒーを飲んで、いったい誰が眠れるのだろうか。

僕はもう眠れないだろう。僕の頭の中は、月が寝静まったあとの夜空のように澄みきっていた。そして、イタロおじさんの矛盾した、堂々めぐりの話は朝まで続いた。

眠れないことを意識すればするほど、イタロおじさんが迫り、眠りが遠ざかっていくような気がした。そして、イタロおじさんのあまりにも一律な語り口に僕はいら立っていた。

「毎日一所懸命生きれば必ず眠れるさ」

僕はいら立ちを表明するために、あえて失礼なことを聞いた。 「ご家族はいらっしゃるんですか」 イタロおじさんの表情は変わらなかった。だが、焙煎機の方はその質問に恐れおののき、完全に動きを止めた。

これ以上イタロおじさんとの会話を書き留めても、読者には何の得もないだろう。イタロおじさんの話は半分正しく、半分間違っているからだ。それでも付け加えるべきことがあるとすれば、イタロおじさんは気さくな方で、終わってみれば、僕は彼との会話を楽しんでいたこと。そして、イタロおじさんは幸せそうな顔で「おやすみ」と言って、ドアの向こうへのろのろと消えていったこと。

一所懸命生きた日の夜に疲れた朝、僕は眠い目をこすりながらキッチンに向かった。自堕落な太陽がぼたぼたと光を落とし、朝の訪れを祝福していた。僕は憑りつかれたように、異常に浅煎りのコーヒーをいれた。泳ぎたくなるくらい透き通った、地中海的なコーヒーは、遠いアフリカ大陸で白い花を咲かせた、赤いコーヒーチェリーの酸っぱさを物語っていた。

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